ホモルーデンス

さよなら絶望先生(5) (講談社コミックス)

さよなら絶望先生(5) (講談社コミックス)

カバー折り返し表2の「前巻までのあらすじ」(もちろん内容はでたらめ)がいちばん面白かった、というのは失礼な物言いなのかもしれないが、面白かったのだから仕方がない。何しろ糸色望が「ドラコニア(澁澤邸)の地下に捕らえられ」、「『君は根っからのホモルーデンスだねぇ』と気に入られ、見たこともないような奇怪な玩具を装着され」、「白洲次郎似の老人に『君にはプリンシプルが無い』と叱られ」るのだから。この辺の固有名詞や専門用語の選びかたのセンスは、一朝一夕に身に付くものではない。

意識の流れ

ハヤテのごとく! 8 (少年サンデーコミックス)

ハヤテのごとく! 8 (少年サンデーコミックス)

物語が始まるのが12月24日で、8巻までかけてまだ翌年の3月3日にもなっていないのがすごい。プルースト的、はたまたジョイス的というべきか。この試みは少年誌の連載作品としてはかなり新しいのではないか。他の例をよく知らないのだが。

「私のまいにちに好きがなくなった」

女の子ものがたり

女の子ものがたり

自伝的な要素が強いと思しい西原理恵子作品を読むたびに感じるのは、彼女のヤンキー文化に対する愛着と、その一方にある醒めた視線である。この分裂は彼女がみずからのプロフィールをときに「高校中退」、ときに「美大卒」と規定する(どちらも事実なのだから、嘘はついていない。そしていずれの場合も「高校中退なので難しい字が書けない」「美大卒なのにこの程度の絵しか描けない」といった自虐的なニュアンスで使われる)分裂と、どこかで繋がっている気がする。でも誰でも気付くか、この程度なら。