データベース的消費?

交渉人 真下正義」を観る。「踊る〜」シリーズの映画版にはすべて当てはまるのだが、小気味よく謎が繰り出され、小気味よく解決していくテンポは心地よいが、肝腎なところではぐらかされている印象を受ける。独立した作品ではなく、シリーズのひとつとして捉えればいいのかもしれないが、それにしてもなあ。いかにも「面白そう」なアイディアを次々と繰り出すわりには全体として何を訴えたいのか判らず、それでも観ているあいだはそれなりに楽しめるあたり、こういうのを「データベース的消費」と呼ぶのだろうか。いずれにしても似た設定の日本映画なら、「新幹線大爆破」のほうがはるかに面白い。
あとはいくらクリスマス向けの特別コンサートとはいえ、あんな重めのオードブルとメインディッシュばかりが次々と繰り出されるプログラムは普通はありえない。前半にベートーベンの「5番」なんか演らんよ。

殺戮パンク漫画

平野耕太HELLSING』を3巻まで読む。浦沢直樹『MONSTER』(の前半)のような、ストーリー性を重視した作品かと思いきや、ひたすら殺戮シーンばかりが繰り返される漫画であった。おかげで読み終わったあと、深い睡魔に襲われる。刺戟の強すぎる状態が延々と続くと、かえって感覚が麻痺するのだ。ある種のパンクと同じというか。