イベントレポート

「講演会で熱心にメモを書いて、それをサイトに載せてしまうひと」問題について、suzuki-kさんから反応があった(id:suzuki-k:20050405#1112718114)。「(イベント記録を)一律禁止してしまったらトレーニングの場もなくなる」というのは、たしかにその通りかも。ただしid:kanose:20050406#kitadaにもあるように、この問題の肝はイベントレポートを載せること自体ではなく、そのレポートにもとづいて勘違いした批判が出回ることではないかと。要はサイトの書き手よりもむしろ、読み手のリテラシーが試される問題というか。

続・イベントレポート

id:kwkt:20050405#p1
うわ、何もkwktさんが必要以上に萎縮しなくても……。
この件、オレが「『講演会で熱心にメモを書いて、それをサイトに載せてしまうひと』問題」と、やや毒の強い書きかたをしましたが、もとになった『ユリイカ』の座談会には、特定のユーザーを批判するニュアンスは希薄です。


栗原 熱心にメモ取るというのは昔から一定数いて、「あのメモどうするんだろうなー」と見るたびに思ってたんだけど、ブログの登場によって活用の回路が発見されたということでしょうね。そろそろはてなに、昨日の、仲俣さんと斎藤環氏のトーク・イヴェントのログが上がっているころじゃないですか(笑)。
仲俣 たしかに猛烈にメモを取っている人がいた(笑)。でも僕はべつに、しゃべったことが間違って伝わってもしょうがないと思ってるから、いくらアップされてもいいですけどね。
このように講演会やトークショーのログをどう扱うかには個人差があり、一律に「ダメ」と言えるものではないでしょう。もっとも特定の発言だけを前後の文脈とは無関係に抜き書きして、「○○が××と全面抗争に突入!?」や「質疑応答で●●と場外乱闘!」といったスポーツ新聞めいた見出しをつけるのは論外です。しかしkwktさんのレポートはいつも丁寧にまとまっており、この一件だけで「今後はもう一切レポートはアップしません。ひとりで楽しみます」と過剰反応するのはもったいないなあ、と思います。

ではイベント・レポートをどうするか?

コンピュータ関係、ネットワーク関係のカンファレンスであれば、たとえばhttp://ll.jus.or.jp/llw2004/tb.htmlのようにトラックバック・センターが作られ、カンファレンスの参加者が自分のブログにレポートを書き、トラックバックを送ったり、あるいはid:using_pleasure:20050406#1112753524に書かれているように、「まとめWiki」を作るのが常態化している。しかし人文系の研究者やライターによるトークショーは上のようなカンファレンスとはあきらかに性格が異なるわけで、果たして同じことをやってうまく行くのかどうかいささか懐疑的ではある。参加者のIT関係のスキルが、てんでばらばらである可能性が高いので。