頂上作戦

ユリイカ 特集:ブログ作法』(ISBN:4791701321)に目を通す。座談会「激突! はてな頂上作戦」は面白かった*1けど、この面白さが伝わるひとが全国にどのくらいいるのだろうか。まあ、これを面白がれるひとしか買っていない気はするが。

個々の論考でブログの魅力、楽しさを素直に顕彰しているのは竹熊健太郎内田樹の両氏だけで、あとは一様に倦怠感や戸惑いを隠し切れずにいる。「誰にどう読まれているかが明示されること」「『素人』の読者とコミュニケーションできること」に可能性を見出すのは、竹熊氏のようにブログをはじめてまだ間もないひとか、内田氏のように「スルーする才能」*2に恵まれているひとだけなのかもしれない。増田聡氏はこの特集をめぐって「印刷メディアの論客がブログを論じるときの居心地の悪さと、ブログの論客が印刷メディアに登場するときの居心地の悪さ」と書いているが(id:smasuda:20050328)、専業のライターとライター的な仕事もする研究者の違い、専業のライターのなかでもネットで発言することで注目されるようになったひとと、ネットで発言する前から有名だったひとの違いなどを考慮する必要があるだろう。

最後の栗原裕一郎氏の編による「ブログ・ガイド100@2005」は、それぞれのテーマについて最適な論者が的確なブログを選んでおり、『このブログがすごい! 2005』(ISBN:4796644326)の人文系バージョンになっている。とりわけ末廣恒夫氏が『ユリイカ』で商業誌デビューを飾った(id:copyright:20050329:p1)のは、以前から末廣氏のはてなダイアリーのファンだったオレとしては喜ばしいかぎり。あとはオレが「発見」したころは「知られざる秘湯」だった「犬にかぶらせろ!」がぐんぐんと知名度を上げ、運営者である速水健朗氏が「ブログの書籍化」を論じるようになった(id:gotanda6:20050316:gq)ことには、2004年前半は遠くになりにけりといった感慨を催されてしまう。何にしても名伯楽さえいれば、世に出るべきひとは世に出るといったことにすぎないが。

*1:ただし四人中三人は何度か会ったことのあるひとなので、「わはは、この口調はいかにもこのひとっぽいなあ」というメタ・メッセージだけを楽しんでいるのかも。

*2:コメント欄がしょうもないコメントで溢れかえったときに完全黙殺を決め込めるのは、やはり一種の才能であろう。

それにしても

はてなダイアリーは「人文系の研究者だらけ」とか「サブカルに興味のあるライターが多い」と言われがちだ。しかし実際のところ、そのようなユーザーは100人から150人くらいで、この「100人から150人」は2003年末にだいたい固定されたような気がする。マスメディアに露出する機会が少ないだけで、実際のところは技術系のGeekたちがはてなのサイレンス・マジョリティを形成しているのではないだろうか。それが何より証拠には、今号の『ユリイカ』に言及しているユーザーは、だいたいどこかで見たことがあるような顔触れなのであった。

毎日がお母さんだったら

毎日かあさん2 お入学編

毎日かあさん2 お入学編

この作品の評価に関して、K.T.氏の

ただ、子持ちヲヤヂにとっては別なツボになりつつあるのでヨシ。独身者はこれ読んで面白いとは思えず。生傷を舐め合うような読後感はキミたちには分からんだろう。

id:jindong:20050329#p1
に返す言葉がない。

樹里たん熱が再燃

買ったよ! しかしいま、オレのパソコンのDVDドライブの調子が悪いので、観たくても観られない……