いやいや、やはりネタにもマジレスしないといけないのだ。

http://mazzan.at.infoseek.co.jp/goiken4.html

http://www.socius.jp/guest/anti.html

こんな論争が起こっていたのか。まったく知らなかった。

反社会学講座』はたしかに面白い本だし、オレもこの日記で好意的に取り上げたのだが、あの本がいわゆる社会学に対する批判となっているとは思えなかった。なぜならあの本で「社会学者」と呼ばれているのは「時事問題や社会問題についてマスコミで『ヌルい』コメントを繰り返すひとたち全般」であって、狭義の社会学者ではないからだ。『反社会学講座』における「社会学」は「ナントカの心理学」や「カントカの記号論」における「心理学」や「記号論」と同じくらいの軽い意味で使われている*1のだから、専門的な知見を動員して「ネタにマジレス」しても、「釣れた、釣れた」と相手を喜ばせるだけだろう。実際、犬飼氏のような「狭義の社会学者」が『反社会学講座』を自分たちに向けられた批判だと受け取めてマジレスしても、その態度は「マ」氏によるさらなる嘲笑の対象にしかならない。

しかしこの「マジレスすればするほど相手を喜ばせるだけ」という図式はやっかいなものであって、論敵を面白おかしくイメージ操作するのに長けているひと(上の図式を利用するのに長けているひと)ばかりが「議論がうまい」「頭がいい」ともてはやされがちな、いまどきのウェブ界隈に対するオレの苛立ちはここにある。

そしてオレの原稿が行き詰っているのも、「マジレスすればするほど相手を喜ばせるだけ」という陥穽にすっぽりとはまっているからだが、オレの場合は本当に馬鹿なのだから自業自得である。

*1:実際、『反社会学講座』を読んでも、「社会学」についてわれわれは何も知ることができない。