泣けるドキュメンタリー

昨日の予告通り、ユナイテッド・シネマとしまえんで『華氏911』を観る。としまえん花火大会という祭りと、『華氏911』公開初日という祭りが同じ日にある豊島園駅周辺は、変に熱っぽい雰囲気。

以下、思いつくままに感想を。

  • 「芸術に政治を持ち込む必要はない」は、たしかに正論ではある。だからといって「持ち込んではいけない」とはならないだろう。とりわけ当の政治家本人が「政治的な立場の偏った映画は、あまり見たいとは思わないね」と発言するにいたっては、「女は家庭に引っ込んでいろ」と大差のない暴言のように思える*1。と、オレのこの発言もまた暴言ではあるが。
  • オレの近くに座っていた50歳前後の女性が、最後の30分、延々と泣いていた。終映後、彼女と同行した女性との会話を小耳を挟んだところ、「泣くような映画ではないとは判っていたけど、泣けてきて仕方がなかった」とのこと。たしかに高校生や大学生の息子がいる母親が、『華氏911』で涙を流すのは、自然な反応なのかもしれない。オレもじつは泣いた。ゆえにドラマや映画に「泣ける」ことしか求めていない皆さんも、ぜひ足を運んでいただきたい。
  • いわゆる「衝撃的」な映像よりも、アメリカ人には見慣ているかもしれない映像(「愛国心」を煽り立てるテレビのCM、貧困層の若者をスカウトする軍人たち)のほうが、オレにとってはよほど「衝撃的」だった。それぐらいオレは、この国の現状に無知なのだが。というか「衝撃的」な映像がないほうが、この映画のメッセージがより明快に伝わったのではないか。
  • 何にしても、主演のジョージ・ブッシュという役者が面白すぎました。ある意味彼の魅力満点なブッシュ萌え映画であった。

*1:と、リンクした途端に、アサヒ・コムの記事が削除された。言論弾圧か? と思ったら、きちんとアクセスできるようになっていた。更新時のミスだったのだろうか。

きょうのペトルーシュカ包み揚げ

昨日のコメント欄id:polymoogさんから、「『きょうの料理』は冨田勲の作曲だ」と知らされる。なるほどそれなら、ストラヴィンスキーから影響されていても不思議ではない。

ちなみにストラヴィンスキーの「ペトルーシュカからの三楽章」の第一楽章は、Maurizo Pollini/Stravinsky, Prokofiev, Webernから試聴できる*1ので、「きょうの料理」と比較したいかたはどうぞ。「きょうの料理」はgoogleで検索すればいくらでも合法的なMP3ファイルやMIDIファイルが見つかると思うので、あえて特定のURLは指し示さない。

*1:「Listen to Samples」の「Three Movements From 'Petrushka': Danse russe. Allegro giusto」