2004-01-01から1ヶ月間の記事一覧

サガワさん

カオスの本棚 有名なネタが多いが、それでも古本好き、ドーナツ盤好きにはお勧めのコンテンツ。マニア特有の嫌らしさが感じられない文体が好ましい。世界でもっとも高名な川端康成研究家かもしれないひとが座談会に出席している「国文学」1981年4月号は、オ…

妄想相撲

かねてより待ち望んでいた「ユニヴァーサル相撲協会」のWindows版がリリースされる。ありえそうでありえない醜名が自動生成されるのが、何といっても面白い。 ちなみに平成十六年初場所十二日目(つまり今日)の結びの一番では、東正横綱の貴ノ浪が東前頭十…

貴ノ浪結びの一番勝利する

快調

奥泉光『新・地底旅行』を読み始める。『鳥類学者のファンタジア』ほど軽くもなく、『グランド・ミステリー』ほど大仰でもなく、オレが読みたかった奥泉はこれだったのだよ、と嬉しくなる。最近の奥泉光は「純文学とミステリ(あるいはSF)の融合」などは目…

ソリスト、コンポーザー、コンダクター

堀晃による『スペインの宇宙食』評 例の騒動に関する2ちゃんねるの関連スレッドを巡回しているうちに見つけたもの。堀晃が菊地成孔を読んでいる(しかも絶讃している)のにはちょっと驚いたが、山下洋輔という共通項があるわけか。それなら納得。 ジャズメン…

掲示板カオスを呼び込む男かな

聖蹟桜ヶ丘

『鉄道ひとつばなし』[amazon]読了。駅名に関する話が特に面白かった。京王線の「聖蹟桜ヶ丘」はもとの駅名を「関戸」といい、「明治天皇を顕彰すべく、(一九)三〇年に完成した聖蹟記念館の下車駅とな」ったのがきっかけでいまの駅名に変わったのだとか。…

バブル

アマゾン・マーケットプレイス『蹴りたい背中』 これって初版本なのかな? そうだとしても、9,860円はいかにも高すぎる。新品が在庫切れになっているといっても、絶版になったわけではないのだから、しばらく待てば再入荷されるはずだ。この出品者はおそらく…

ある意味では失禁

大岡昇平を軍事板住人が語ると凄すぎて失禁 ミリタリー系オタクが読んでも楽しめる小説を書いてしまったのが、大岡昇平の偉大さであり、不幸なのでもないかと。

三多摩は明治天皇顕彰す

知情意

といったこととは関係なく、綿矢りさ『蹴りたい背中』[amazon]を一気に読み上げる。デビュー作の著者近影とはまことに罪作りなもので、最初は主人公に作者を重ね合わせ、「りさたんの膝に絆創膏を貼りてえ」とか、「りさたんの口元にコーンフレークのカケラ…

信仰告白

グルーヴでもロックンロールでもセンスオブワンダーでもお笑いでも共産主義でも西洋近代音楽でも、とりあえず対象は何でもいいのだが、信仰する対象を持たず、何に対しても「ネタとして楽しんでいるだけだよ」「観察対象として面白がっているだけなのさ」と…

蹴られたい背中或いは吾の背か

時々に軋り来るもの

原武史『鉄道ひとつばなし』[amazon]を読む。真性の鉄道ファンにとっては物足りない本なのかもしれないが、オレのように鉄道が「何となく好き」な人間にとっては、それなりに読み応えがある。なおオレが以前から疑問に思っていた「なぜ鉄道ファンには女性が…

ワタオニ

練馬駅西口の書店で、沢木耕太郎『杯』(朝日新聞社)[amazon]を買う。オリンピックはともかく、ワールドカップに関してまで沢木耕太郎の文章を読みたいとは思わなかったのだが(サッカーにはつい最近まで関心がなかったと、沢木自身がいろいろな場で発言し…

都市にしか生まれぬものか鉄道ファン

コロナ

沢木耕太郎『冠』[amazon]を読了。沢木耕太郎はやはり、一人称が「ぼく」だったころの著作が文体が切迫していて、いちばん面白い。「私」になってからは、「ぼく」時代に確立したスタイルを自己模倣している感じがしなくもない。と言いつつ、この最新刊も一…

当惑した家庭教師

妹が出演しているドニゼッティ『当惑した家庭教師』を観るため、初台の新国立劇場に行く。ちなみに宣伝用のチラシはこちら。新国立劇場とオペラシティーは別の建物なのね。判りにくいよ。 席がかなり前のほうで、字幕をまともに読むことができず、おまけに開…

当惑した家庭教師を堪能す

好き嫌い

「この漫画、けっこう面白いよ」と薦められたのに、「絵が嫌いだから読む気がしない」と断るのは、ほとんどの場合は女性である。もちろん男性にだって絵の好き嫌いはあるのだが、それが漫画を選択するための決定的なファクターにはならない気がする。少なく…

最近読んだ漫画から

三原ミツカズ『集積回路のヒマワリ』(祥伝社)[amazon] まったく未知の作家だったのだが、ネットで検索したかぎりではそれなりに固定ファンがいるようだ。全体的に白っぽくて肉の厚みや暖かみを感じさせない描線と観念的なモノローグは吉野朔実を、SF的な設…

本日のアマゾン

綿矢りさ『蹴りたい背中』(河出書房新社)[amazon] 原武史『鉄道ひとつばなし』(講談社現代新書)[amazon]

食事とは絶頂のなき快楽か

アクタガワナオキさん

やっぱり一般のマスコミは、直木賞よりも芥川賞のほうを大きく取り上げるものなのだなあ、とあらためて思う。実際に朝・毎・読を潤わせているのは、直木賞作家が自社媒体に連載した小説の単行本なのにね。そういう意味でも奥泉光の『新・地底旅行』[amazon]…

りさたんもなっち先生もめでたくも

月島

店ではオレの斜め後ろの席に、やたらと饒舌で博識な中年男性が座っていた。最初は「場所柄からして、日芸か武蔵大の人文系の先生なのかな」ぐらいにしか思っていなかったのだが、西武セゾンカルチャーの功罪と新宿の地政学についてひとくさり講釈を述べたあ…

イスラエル

帰りに江古田のイスラエル料理店「シャマイム」で夕食。本格的なイスラエル料理が食べられる店は、日本でもここぐらいしかないらしい。オレが知っているかぎりではトルコ料理に近い(地理的に近いのだから料理が似ていても当然であって、われながら何のひね…

浦安

浦安海洋ネズミ帝国に遊びに行く。30歳をすぎてから、ジェットコースターがすっかり苦手になったのを再確認したり(最初に自覚したのは、2年前に海洋ではないネズミ帝国に行ったとき)。「ネズミ帝国のジェットコースターなど、そもそもジェットコースターの…

浦安に江古田月島イスラエル

神林長平なんだよ

SFといえば、少し前の『AERA』(たぶんこの号)に載ったマーケティング関係の記事が面白かった。その記事には何百人かの文庫本愛好家を対象にしたアンケートの結果をチャート化したものが紹介されていた。そのチャートは「好きな作家」として同時に名前が挙…