2003-09-01から1ヶ月間の記事一覧

猫と解釈

「猫は人間と違って自分の気持ちを裏切らないところがかわいい」というひとがいるが、これは違うのではなかろうか。猫のやることはだいたいにおいて予想不可能であり、何の意味があるのかさっぱり理解できない。われわれはそこに勝手な意味を見出して、「や…

モガリ笛/いく夜もがらせ/花ニ逢はん

練馬図書館

帰りに近所の薬局で薬を処方してもらう。かなり時間がかかりそうなので、向かいにある区立練馬図書館で時間を潰す。本もCDも借りるのが嫌いで、自分で買わないと気が済まない性分なので、これまでこの図書館に入ったことはなかった。閉館間際だったので蔵書…

潰瘍性大腸炎

検査当日。病院で検査服に着替え、SF映画に出てくるような大仰な機械の上に寝かされる。肛門からバリウムを注入。大変に気持ちが悪い。そもそも恰好が屈辱的にすぎる。なぜこの病院では、普通に咽喉からバリウムを飲ませてくれないのだろう。いろいろな角度…

バリウムを飲みて六腑の夏終はる

読書と食事

オレは子供のころ、スナック菓子をちびちび食べることができなかった。袋が空っぽになるまで、間断なく口に運び続けてしまうのだ。妹と同じおやつを出されても、いつも自分が先に食べ終えるので、損をした気分になることもよくあった。この傾向はいまでも変…

土管

明日は腸の再検査があるので、昼から病院が用意した専用食を食べる。検査当日に、腸を空っぽにしておく必要があるからだ。先週は麦酒を一口呑むだけで腸が過剰反応を起こして数秒後に下痢をするというひどい状態だったのだが、すっかりよくなってしまった。…

宿りたる神とり逃がす読書術

煩悶

たとえば「『ドミソシ』はフォークだけど、『ドミソ♭シ』はブルースなんだよ!」といったことをいくら「論理的に」説明したところで、判らないひとには判らない。だからといって「判らんやつが馬鹿なのだ」と切り捨ててしまうのも面白くない。オレは小谷野敦…

日常

160字のアルバムレビューを27枚分も書くのは、さすがに疲れる。何しろアルバムごとに「ネタ」を変えなければならないのだから。星新一が「ショートショートの原稿料は枚数ではなく、作品単位で支払われるべきだ」と言っていたのも理解できる。

「ボウリング・フォー・コロンバイン」(マイケル・ムーア、2002年)[amazon] 例の「カナダ人は玄関の鍵を掛けない」問題だが、考えてみればオレの実家でも、夜中と家を留守にするとき以外は玄関の鍵を掛けない。大学生を主人公にしたむかしの漫画を読むと、…

戸締まりを怠る家主の百面相

追悼

レニ・リーフェンシュタールが死んだ。

スタウト

そのあとはABCマート(旧ワシントン靴店)のとなりにあるキリンビールの系列店で夕食。これで麦酒がまずかったら暴動を起こすところだが、幸いにもまともなものが呑めた。料理の質も高い。それでもあえて言いたいが、サラド・ニソワーズはもうちょっと単純明…

新ブラ

次号の『音楽誌が書かないJポップ批評』(YMO特集)で取り上げるCDのいくつかが手元になかったので、新宿タワーレコードで買い求める。締め切り当日に参考資料を買うものではない(途中で寄った中野エービックでコルグのMS-20を見かける。39,800円。買えない…

ちょっと残念

東浩紀がはてなダイアリーをやめてしまうらしい。彼のように毀誉褒貶が激しく、インターネット上での注目度が高いひとが既存のウェブサービスを利用するのは、いろいろ難しいのかなあ。コメントの応酬は楽しいけど、嫌がらせにはうんざりするというのなら、B…

新宿で求めし本は檀づくし

今日のアマゾン

星新一『人民は弱し 官吏は強し』(新潮文庫)[amazon] 高橋源一郎『さようなら、ギャングたち』(講談社文藝文庫)[amazon] どちらも中学高校のころに読んだ本なのだが、唐突に再読したくなったので購入。『人民は〜』は古本屋に売ってしまったし、『さよギ…

天に唾するがごとき愚痴

たまには高橋源一郎も金井美恵子も坪内祐三も斎藤美奈子も誉めていない本を読んでみろ! と若き読書人諸氏を叱咤激励したくなることもあるのだが、オレにしたところでSFとミステリを除けば、結果としてはこの4人が誉めているものしか読んでいない。情けない…

おいしい生活

10:30起床。今日が締め切りなのにほとんど手をつけていない仕事があって、うわー、どうすべよと頭を抱えていたのだが、集中して取り組んだら18:00には終わってしまう。フリーライターたちよ、一年を十日で暮らす優雅で感傷的な共和主義者たらんとすればあと…

書を読むは乙女と腐女子ばかりなり

成城系?

『彼らの流儀』巻末の「ベッドの上の聖人」を読んであらためて思ったのだが、旧制の成城高校はおかしな学校である。数年前に和光学園が「和光系」としてジャーナリズムの注目を集めたことがあったが、旧制成城高校もそれに負けず劣らず面白い。権威におもね…

スタイリッシュ

診察の待ち時間に沢木耕太郎『彼らの流儀』(新潮文庫)[amazon]を読む。20代のころはこういう絵に描いたように「スタイリッシュ」な文章を読むと、「けっ」と反撥したものだが、いまでは自然に受け入れられるようになった。これならチャンドラーあたりも素…

骨折

宿主が足の指を痛めたので、付き添いで江古田にある練馬総合病院へ(「練馬総合」と名乗るからには練馬駅周辺になければならない、と思うのは倨傲であろう)。レントゲンを何度も撮り直したので、診察に時間がかかる。骨に少しひびが入っているとのこと。骨…

骨折りや草臥れたけれども損はせず

本日の

体重、57kg。体脂肪率、13%。 肉類を食べるのを控えていると、体脂肪率はがくんと減るものである。

ハルキ初体験

宿主から借りて、村上春樹『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』(新潮文庫)[amazon]を読む。薄い本なので、あっという間に読み終えてしまう。高橋源一郎や島田雅彦で現代文学に目醒めた者のつねとして、オレもまた村上春樹とは意識的に距離を置く…

御馳走帖

ようやく腸の状態が正常に戻り、好きなものを何でも食べられるようになった。この三日間、内田百ケンの真似をして、元気になったら食べたいものを脳内にリストアップしていた。真っ先に思い浮かんだのは、 慈姑の茎 のっぺい汁 鮎の塩焼 鮭の塩焼 加嶋屋のさ…

御馳走の味まぼろしとして吾(あ)を酔はす

杞憂

それにしても東浩紀は、「面白がられている」という状況を面白がりすぎているのではないか。