西広

おおきく振りかぶって(4) (アフタヌーンKC)

おおきく振りかぶって(4) (アフタヌーンKC)

これまでまったく存在感のなかった西広の魅力に、いきなり目醒める。端役にもきちんと性格付けしているのが、『おおきく振りかぶって』の美点ならんか。ただし西浦高校以外の生徒は、きちんと描き分けられていない気がしなくもない。

うぶめ

新宿東急にて『姑獲鳥の夏』を観る。どうにも評価に困る。原作を知っているひとのためのイメージビデオだと思えば、これでいいのかもしれない。しかし原作を知らないひとにとっては、ほとんど意味不明なのではないか。あとはキャスティングだけど、永瀬正敏が演じる関口巽堤真一が演じる中禅寺秋彦は意外とさまになっている。特に永瀬正敏は「鬱病気味で自意識過剰で挙動不審の売れない小説家」という、永瀬本人のパブリック・イメージとはかけ離れた役柄を演じきっていて、感心することしきり。池辺晋一郎の音楽は、可もなく不可もなく。「困ったときのバッハ風対位法頼み」はどうにかならないかと思ったけど。