いま、喰べにゆきます

愛がなくても喰ってゆけます。

愛がなくても喰ってゆけます。

よしながふみのエッセイ風のグルメ漫画。取り上げた店はすべて実在するとのこと。オレもうまいものを食べるのはひと並みに好きなほうだが、この漫画の登場人物のように、自分が食べたものの「うまさ」をその場で言語化する気にはなれない。気にはなれないというか、それだけの経験も語彙も持ち合わせていないだけだが。
ちなみにこの本で取り上げられている店で、オレが行ったことがあるのは新宿御苑ミュンだけである。ほかの店にも惹かれはするのだが、いかんせんひとり当たりの予算が高すぎて……。嗚呼、我負け組也。

一億総被批評家時代

「インターネットが普及してから、誰もが批評家を気取れるようになった」と、よく言われている。しかしこれは、あまり正確ではないのではないか。むしろ誰でも批評される対象になったほうが、大きな変化なのではないだろうか。インターネットが普及する前から「批評家気取りの素人」はいた。しかし彼らの言説が見知らぬ第三者(ときとしては批評された当の本人)に反論されることはなかった。この変化は「批評」のありようそのものまで変えてしまうのではないか。誰もが批評家であり、同時に批評される側でもある時代の到来。