内気なぼくら

「ARTIFACT」のうざがられる自分語りはいまどきのブロガーのみなさんの関心を惹きそうな話題なのに、なぜかトラックバックがまったくない。意外と話題になっていないのかな、と思っていたのだが、はてなブックマークにはけっこう登録されている。キーワード機能といいブックマークといい、はてなのシステムは本人にじかに愛(とはかぎらないが)を告白するのが苦手だが、気づいてもらいたいとは思っているわれわれ内気な日本人に最適化されている。

ちなみに「ロック少年リハビリ日記」の鋭敏な人の寓話にも、


というか、ブログってこういうふうな「やんわりと異論を唱える」系のやりとりには向かないメディアなのかもしれない。「あ、オレ賛成」「ワタシ反対」みたいな量的な意見集約には向きすぎるほど向いてると思うのだが。やはりアメリカ〜ンなメディア技術なのだなあ。
とある。トラックバックは日本人のメンタリティーにはいまひとつ馴染みにくい仕組みなのではないか。

ちなみにオレも上で取り上げたふたつのテクストにはトラックバックを送信していないのだが、それは内気だからではなく、マスダ、加野瀬両氏であれば、オレのサイトを定期的に読んでいるからだ。いつも読んでいるひとに、わざわざトラックバックを送るまでもあるまいという発想も、よくも悪くも日本的なのかもしれないが。

内気なオレ

まだ10代なのに文学や哲学、サブカルチャー全般に詳しく、それなりに「冴えた」文章を書いている女性を、はてなダイアリーでたまに見掛けることがある。そうしたはてなダイアリーのコメント欄はだいたいの場合、訳知り顔のおじさまがたで埋め尽くされている。オレはさすがに照れ臭くてそんなことはできないよなあ、といったことをあるひととメッセンジャーでやりとりしていたところ、相手から「鈴木さんは遠くから見守りたいタイプなんですよ」と切り返される。これはたしかに当たっていなくもない。そしてこれはおそらく、上の「本人にじかに愛を告白するのが苦手」という問題にも繋がるのだろう。

昨日のイベントでは多くのひとが、打ち上げの席などで出演者の女性に気軽に声をかけていたのに驚かされた。オレにとってアイドルは「遠きにありて思ふもの」なので。でも普通のアイドルではなく、地下アイドルに夢中になる男性は、「遠きにありて思ふ」だけでは満足しきれず、「お近づきになりたい」のだろう。動物化しやがって(笑)。