「文系女子院生」という問題

ユリイカ2005年11月号 特集=文化系女子カタログ

ユリイカ2005年11月号 特集=文化系女子カタログ

話題の「文化系女子カタログ」だが、ある意味では体育会系以上の「男社会」である文系アカデミズムの世界を論じた冒頭の「コレラ菌的考察」と「アカデミシャン女子に花束を」を読んだ時点で、何やら沈んだ気持ちになる。たとえ恋愛関係でどれだけ煩悶していようとも、将来が保証されているだけ、理系男子院生は文系女子院生よりは幸せなのである、きっと。
……といったことを当事者がネット上で主張しても、「これって結局ある程度の文化・経済水準の恵まれた環境にあるインテリ女の話だよね、と一蹴され」(p58)るのは目に見えていて、「文系女子院生」の苦悩に理解を示す男性もまた「インテリ女子に媚を売ってるだけなんじゃないの?」と思われるのだろうけど。
あと虚構の登場人物とはいえ、「尾辻克彦の一連の作品に登場する胡桃子ちゃんとか、高橋源一郎の初期作品とりわけ『虹の彼方に』に出てくる娘さんとか」に「萌え」たと公言するのは(p217)、さすがに、あの、その……