ブンガク

見本をいただいたあとは、Tさんと軽く呑む。話題は著作権とか綿矢りさとか。

  • 作者と主人公は別人格である(いや、同じだったら同じでも、誰も困らないんだけど)
  • 文章はあくまでも「文字」であり、視覚的なイメージを喚起するものではない(いや、喚起しても何も悪いことはないんだけど)
  • 「テーマ」や「メッセージ」を求める必要はないし、それらがあるとはかぎらない(いや、あればあったに越したことはないのかもしれないけど)

といった文学観・小説観は、ある時代にある種の言説に親しんできたひとにとっては馴染みやすいものだが、「公理」として多くのひとに共有されているわけではないのだな、と実感する。オレはこうした相対主義的な姿勢は、テクストを批評的に読み込むには必要だと思っているのだが、それを呪縛と感じる高橋くんの気持ちも理解できなくもないのであった。