2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

外様の声

オレはSFも推理小説も好きだが、SFファンや推理小説ファン(とりわけ推理小説ファン)が「外様」からの批評を毛嫌いする傾向は好きになれずにいる。少し前に高山宏が推理小説に関する評論をまとめた『殺す・集める・読む』(ISBN:4488070477)を出版したとき…

雑誌は「雑」誌である

昨日、「リテレール」の話を書きかけてやめたので、今日は続きを書く。 もはや記憶しているひとは少ないかもしれないが、「リテレール」は「中央公論社の名物編集者」として名を馳せた安原顯が同社を退社して1992年に創刊した書評誌。文学や哲学といった世界…

「コミックブックは青春と結びついた世界的な現象だ」

パレスチナ作者: ジョーサッコ,Joe Sacco,小野耕世出版社/メーカー: いそっぷ社発売日: 2007/04メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 57回この商品を含むブログ (27件) を見るうおー、読むぞー、と勢い込んでページを開いたのだが、日本の漫画とはあまりにも…

リアリズム型ブログの誕生

『リテレール』かその別冊だと思ってバックナンバーを漁っているのだが、該当箇所が見付からないので記憶で書くが、鹿島茂が「抽象論に徹した本とリアリズム(実証性)に徹した本以外は、100年後には無価値になる」といったことを書いていた。もちろん文学作…

Laudamus te.

階段から転落して脳挫傷で死亡、というニュースはオレの心を締め付ける。なぜオレ程度の人間が同じ事故で3週間程度の入院で済み、半年後にはこれといった後遺症もなく生活できているのか、罪悪感すら感じてしまう。彼女の魂に平安あれ。

Je est un autre?

思うところがあって精密な性格測定(正式名称は違うはずだが、覚えていない)を受けようと思い、近所の心療内科へ。9:00から13:00まで、4時間もかかってしまったよ。 こういうのをどこまでウェブで書いていいのか判らないが、知能テストと入社試験の一般教養…

「目をスミでぬって完成!!」

ついでだから朝日新聞の話題を続けるが、今日(東京では昨日の夕刊かな)のしりあがり寿の「地球防衛家のヒトビト」は最高に痛快だった。こんな内容。 1コマ目 父「何描いてんだ?」 子「(父に背を向け、画用紙に向かって)○×△マン描いてんの」 2コマ目 父…

本日のオンライン注文

パレスチナ作者: ジョーサッコ,Joe Sacco,小野耕世出版社/メーカー: いそっぷ社発売日: 2007/04メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 57回この商品を含むブログ (27件) を見る以前から各種のブログで話題になっていて、気になっていた漫画だが、今日の朝日新…

こもったー

「Twitterのパクリ」として話題になっている中国のkomooに登録する。 http://komoo.cn/yskszk 登録して何をどうするつもりなのだ? と真顔で問われても困るのだが、日本人がみな愚かな歴史修正主義者ではないことを伝えたいといったささやかな使命感はある。…

本日のオンライン注文

ウェブ社会の思想 〈遍在する私〉をどう生きるか (NHKブックス)作者: 鈴木謙介出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2007/05/26メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 8人 クリック: 111回この商品を含むブログ (132件) を見るこれは人文系ブロガーにとっては必…

卓越化ゲームとしてのブラウザのシェア

オレのはてなダイアリーを読んでいるひとはどんなブラウザを使っているのか、アクセス解析した。昨日のベスト5は以下の通り。 InternetExplorer 6.0(34.53パーセント) Firefox 2.0.0.3(20.46パーセント) Safari 419.3(7.93パーセント) Firefox 1.5.0.1…

オレがもし17歳で殺人やレイプを犯していたら

自殺した作家の小説を好んでいた(太宰治、三島由紀夫、川端康成) オカルトに興味があった(澁澤龍彦) 荒唐無稽な内容のSF小説や漫画を好んでいた(筒井康隆など) 猥褻な広告が載っている反体制的な雑誌を愛読していた(「噂の眞相」) 美少女が犯される…

トモダチっていいな

おおきく振りかぶって(8) (アフタヌーンKC)作者: ひぐちアサ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/05/23メディア: コミック購入: 4人 クリック: 66回この商品を含むブログ (282件) を見る読み終わってパソコンの電源を入れたとたんに、やはり読み終わった直…

ラブロマンスとしてのボーイズラブ

先週の土曜日のシンポジウムでパネラーのひとりが「ボーイズラブ系の女性同人誌作家は、自分が描いているものが『猥褻物』だという認識が低い」と発言したのが、いまでも気になっている。そこで腐女子文化に現役でコミットしている知り合いにこの疑問をぶつ…

恐るべきエゴサーチたち

ふと気まぐれを起こしてgoogle:鈴木芳樹]ではなく、[google:Yoshiki Suzukiとアルファベットでエゴサーチしたら、以下のページが見付かった、 http://www.1fct.com/trattoriamenu/tra/review/menu111.html いったいどういう経緯でオレがトラットリアの公式サ…

ライブドアとベッコアメ

ライブドアと堀江貴文がIT関係者以外にも広く知られるようになってから、来月で3年になる(もうそんなになるのか!)。当時からオレは、「むかしもこんな風に騒がれていたITベンチャー企業があったよなあ」と思っていた。それはベッコアメと尾崎憲一である。…

タガメ・イン・フランス

昨日に引き続いて、漫画とフランスの話を。古い話になるが、友人から「フランスの新聞が田亀源五郎を取り上げたようだが、詳しいことを調べてほしい」と頼まれた。オレは掲載紙が「リベラシオン」であり、「リベラシオン」は晩年のサルトルが創刊にかかわっ…

ちょっとしたもの

ベートーヴェン:バガテル作品33&126(全曲)アーティスト: グールド(グレン),ベートーヴェン出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ発売日: 1998/10/01メディア: CDこの商品を含むブログ (2件) を見るあえて文化本質主義者めいたことを口にするが、こ…

フランスでは誰が日本の漫画を消費しているか?

上記のテーマに関して、フランスに長期留学中で、かつ漫画愛好家であるid:amalecさんから興味深いを原稿をいただきました。 http://bonzour.fr/blogs/index.php?itemid=84 「フランスでは誰が日本の漫画を消費しているか?」はオレが付けたタイトルですが、…

本日は

ライター仲間の某さんや某さんより、有益な話を聴ける。一方的に自分が語りたいことを語っていただけではないかという自省はあるものの、いろいろな問題をクリアできた気がする。これもまた詳細をブログで書くような話ではないが、自分にとって得心の行く会…

昨日より

昨日のシンポジウムの件について、いろいろとトラックバックやSBMでの反応があるようですが、脚が長い(しつこいよ)オレにとっては長文が書きづらい環境のネットカフェで更新しているので、今宵はまとまったレスポンスを返しそうにありません。申し訳ありま…

同人誌出版と商業出版

巣鴨駅前のネットカフェより更新。椅子が低くて使いづらいことこの上ない。オレは脚が長いのだぞ。 池袋の豊島公会堂における「同人誌と表現を考えるシンポジウム」に参加する。第一部は印刷会社、同人誌即売会、同人誌販売店など、「当事者」による現状報告…

S/Zの悲劇ふたたび

以前の話の続きになるが、アマゾン・フランスは検索機能が弱く、ISBNコードを直接入力しないと求めている本が探せないことがあるらしい。そういえばオレもカスタマー・レビューが読みたくてこうの史代の『夕凪の街 桜の国』のフランス語版を検索して、見付か…

nowaとアバウトミー

「これ以上、ウェブ上に『自分の場』を持ってどうするつもりだ」と思いつつも、ライブドアのnowaとニフティのアバウトミーに登録する。今後はこういうブログともSNSともつかないサービスは増えるのだろうな、おそらくは。何やら関心空間の全盛期に逆戻りして…

「編集のお仕事」

登録していた人材派遣会社から「編集の仕事があるんですけど」と連絡を受けるも、よくよく話を聞いたら印刷会社のDTPオペレーターであった。なぜ印刷会社は相変わらず出版社とまぎらわしいような求人を出したがるのか。夏目房之介も何かのエッセイで、出版社…

ミツバチの剽窃

林達夫評論集 (岩波文庫 青 155-1)作者: 林達夫,中川久定出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1982/07/16メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 8回この商品を含むブログ (11件) を見る大学時代に読んだはずなのにほとんど内容を覚えていないこの本を、これといっ…

文化本質主義者宣言

Cliche(紙ジャケット仕様)アーティスト: 大貫妙子,ジャン・ミュジー,坂本龍一出版社/メーカー: BMG JAPAN発売日: 2006/12/20メディア: CD クリック: 3回この商品を含むブログ (2件) を見るオレは大貫妙子のファンのつもりでいたが、最初期のアルバムの『SUNS…

SFファンはテロリスト

昨日のSkypeでの長時間の会話から、気になった発言、印象に残った発言を書き留める。「A」が相手で、「Y」がオレである。 文化本質主義そのものが間違っているのではなく、文化本質主義の機能のしかたが間違っていた(「この芸術の素晴らしさ」が判らない人…

最近の仕事

活字版「ボンズ〜ル」に掲載されたオノ・ナツメ『not simple』評がウェブ版にも掲載されました。 http://bonzour.fr/index.php?itemid=200 原文を掲載します。 オノ・ナツメ『not simple』(小学館) 2004-2005 オノ・ナツメは去年から批評家やマニアのあい…

最長不倒距離

Skypeでフランス在住の知り合いと16:00から翌日の9:30(日本時間)まで延々と喋る。普通の電話も含めて最長不倒記録である。刺戟的な内容であったが、議論の詳細はあとからまとめて書く。書かないかも。