2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

スイッチョ

猫のいる日々 (徳間文庫)作者: 大仏次郎出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 1994/11/15メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 76回この商品を含むブログ (26件) を見る短いエッセイを集めた本は、ぱらぱらとめくって気に入った一節だけを繰り返し読みがちで、通…

アキバ区

新潟市が浜松市とともに来年の4月から政令指定都市に移行する方針が明らかになったと、NHKのニュースで知る。ついにというか、とうとうというか、やっとというか、田中角栄の妄執がこれで実ったわけである。 そうと知って気になるのは、自分の実家の行政区。…

子供は屈託なく笑う

シネマヴェーラ渋谷で「長靴をはいた猫」を観る。細かいギャグにいちいち反応している客があり、何者かと思えば父親に連れられた子供であった。そうか、いまはまだ夏休み。いま日本映画データベースで調べたのだが、ギャグ監修が中原弓彦なのね。宇野誠一郎…

植草甚一ではないよ

『ミッチー・ブーム』読了。『JJ』とはJosei Jishinの略であり、すなわち「開かれた皇室」報道をリードしてきた『女性自身』の増刊号としてスタートしたという記述に驚く。このふたつの雑誌が同じ出版社から刊行されていることすら意識していなかった。オレ…

著者略歴に絶望した!

ミッチー・ブーム (文春新書)作者: 石田あゆう出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/08/21メディア: 新書購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (22件) を見る歴史問題や皇室問題を扱った文春新書には傾向的(笑)なものが多く、この本もそのたぐい…

ルールとマナー

ルールとマナー、このふたつはどう使い分ければいいのか。オフサイドはルールで、試合前の国歌斉唱はマナー。何やら違っている気がするが。

ジョボタレ

高田馬場で打ち合わせ。帰りにラピュタ阿佐ヶ谷に寄って「夜叉ヶ池」でも観ようかと思ったが、駅前で道に迷っているあいだに上映開始時刻をすぎていたのであった。モオツァルト・無常という事 (新潮文庫)作者: 小林秀雄出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1961/…

知りたいのはそこなのだよ

憲法九条を世界遺産に (集英社新書)作者: 太田光,中沢新一出版社/メーカー: 集英社発売日: 2006/08/12メディア: 新書購入: 4人 クリック: 92回この商品を含むブログ (290件) を見る180ページ足らずの薄い本だったので、あっという間に読了。中沢新一はともか…

子という立場

毎日かあさん3 背脂編作者: 西原理恵子出版社/メーカー: 毎日新聞社発売日: 2006/04/30メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 27回この商品を含むブログ (154件) を見る西原理恵子よりもその息子のほうが自分と年齢が近いように感じられる(実際はもちろん違…

分析哲学には馴染みがない

現代思想の遭難者たち 増補版作者: いしいひさいち出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/06/21メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 19回この商品を含むブログ (27件) を見るゼミコンパで「カラオケは音楽じゃないッ 個を圧殺し、盛り上がりを強要する音楽の…

短絡はいかんよ

ライトノベル「超」入門 [ソフトバンク新書]作者: 新城カズマ出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ発売日: 2006/04/15メディア: 新書購入: 8人 クリック: 117回この商品を含むブログ (181件) を見る前半の3分の2は献本直後に読んでいたのだが、その…

カント主義

世界共和国へ―資本=ネーション=国家を超えて (岩波新書)作者: 柄谷行人出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2006/04/20メディア: 新書購入: 2人 クリック: 76回この商品を含むブログ (142件) を見る読了。分析は緻密だし、結論として示されるビジョンは魅力的…

ミュンヘン一揆

シネマヴェーラ渋谷で『鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』と川本喜八郎特集の二本立て。この映画館の素晴らしさは、上映が始まると本当に真っ暗になってしまう点であろう。消防法などには引っかからぬのか。「ハガレン」はパラレルワールド・ポリティカルフ…

本日の注文

現代思想の遭難者たち 増補版作者: いしいひさいち出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/06/21メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 19回この商品を含むブログ (27件) を見る昨日の『ホン!』で、脳がいしいひさいちを求めるようになったので。朝日新聞を購…

毎日骨太

オレはむかしから、「がりがりに痩せている青年」に憧れていた。性的な魅力を感じていたと言ってもいい。オレ自身、BMI値からすればかなりの痩せ型だったのだが(身長は177センチで、学生時代の体重は55キロ前後)、一向に「がりがり」にはならなかった。な…

教え子から見た中井猛之進

中井英夫が自分の父親(植物学者の中井猛之進)を異様に嫌悪していたのは有名な話だが、実際に猛之進はどんな人物だったのか。東大植物学科出身の作曲家、柴田南雄が最晩年に出版した自叙伝『わが音楽 わが人生』(ISBN:4000026305)に猛之進がちょっと登場…

かつかつの印税生活

ホン! (GHIBLI COMICS SPECIAL)作者: いしいひさいち出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2006/08/05メディア: コミック購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (15件) を見るいしい作品の愛読者にはお馴染みの売れない純文学作家、広岡達三先生が大活躍…

フランス

シラクのフランス (岩波新書)作者: 軍司泰史出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2003/09/20メディア: 新書購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (14件) を見る昨日読了。7月の大乱調をあいだに挟んだので、難しい本でもないのに、2ヶ月もかかってしま…

長命アイドル

その後は上野動物園に移動する。子供のころに両親に連れられて行った記憶がないわけではないが、当時の記憶はもはや薄れている。やはりパンダは大人気。デビュー以来、ここまで人気が衰えないアイドルも珍しい。ほかには麒麟、犀、ペンギン、海驢など。

ジャクチューギョーサイ

上野の国立博物館にて「若冲と江戸絵画」展を観る。平日の午前中だというのにすごい人出であった。展覧会順路逆走を趣味とするオレにはやや辛い環境。ゆえに詳しい感想は書けないが、若冲はピクチャレスクな作品ばかりを描いていたわけではないことが判った…

剿滅せねばならぬ

問題はなぜ誰もこれを引用しないのか、である。 吾輩の尊敬する筋向の白君などは逢う度毎に人間ほど不人情なものはないと言っておらるる。白君は先日玉のような子猫を四疋産まれたのである。ところがそこの家の書生が三日目にそいつを裏の池へ持って行って四…

冥王星に寄す

SF小説ではしばし冥王星が太陽系外への宇宙旅行の拠点として描かれるが、これはおかしい。太陽系からもっとも近い恒星(アルファ・ケンタウリ)との距離を測れば地球も冥王星も大差なく、地球に住んでいる人間が冥王星経由で太陽系外に出るのは、大阪に住ん…

本日の注文

へたも絵のうち (平凡社ライブラリー)作者: 熊谷守一出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2000/02/15メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 29回この商品を含むブログ (28件) を見る美術館に行って感心したからといって自伝を買ってしまう自分の影響されやすさには…

モリ

『作家の猫』(ISBN:4582634222)を読んでから気になっていた、熊谷守一の美術館に行く。アパートから歩いて15分ほどのところにあるのだ。もともと私邸だったものを改装したため、あまり大きな美術館ではなく、展示作品も少ないが、魚や昆虫も含めたモリの動…

唐突な思い付き

ドゥルーズのマゾッホ論を手掛かりに、「受け」と「攻め」の非対称性を論じることはできぬものか。マゾッホとサド (晶文社クラシックス)作者: ジルドゥルーズ,蓮實重彦出版社/メーカー: 晶文社発売日: 1998/10/25メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 54回こ…

粗髭

「実家の洗面所に剃刀がなかった」というきわめて形而下的な理由で生やし始めた髭だが、10日が経過したいまになってもまるで存在感がないままで、おまけに「似合わない」「痩せた○○○○○みたいだ」などとありがたい指摘を受けてしまったので、これから剃る。男…

「笹原さん 強気攻めなんですから」

げんしけん(8) (アフタヌーンKC)作者: 木尾士目出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/08/23メディア: コミック購入: 3人 クリック: 27回この商品を含むブログ (428件) を見る前半が『げんしけん』以前の木尾士目作品を思わせる(といっても『四年生』しか読…

最終解決などない

内田樹『私家版・ユダヤ文化論』(ISBN:4166605194)読了。終章「終わらない反ユダヤ主義」の説明が判ったような判らないような……。どうにも考えがまとまらないので、気になったセンテンスをいくつか抜き書きする。 ユダヤ人が例外的に知性的なのではなく、…

「こんな下品なものを穿いてしまったらどうしよう」

恋をしましょう (バンブー・コミックス 麗人セレクション)作者: 西田東出版社/メーカー: 竹書房発売日: 2006/04/27メディア: コミック購入: 2人 クリック: 15回この商品を含むブログ (12件) を見るホワイトカラー・ボーイズラブという特殊なジャンル(何しろ…

多層化された情報

小説は衆人環境でも読めるが、漫画はどうにも落ち着かない。これは何も「人前で漫画を読むのは恥ずかしい」という古典的な理由のみによるものではない。絵が発する情報とネームが発する情報を同時に処理しなければならない漫画は、小説よりもレイヤーが複層…