2005-07-01から1ヶ月間の記事一覧

温度丸殿

映画「姑獲鳥の夏」について、何か大事なことを書き忘れていた気がしたのだが、何のことはない、サウンドトラックにオンド・マルトノが使われていただけの話であった。 オンド・マルトノはフランス人の技師、モーリス・マルトノ*1が発明した電子楽器。同じよ…

ガクセー2

行きつけの居酒屋で『言論統制』を読むながらひとりで呑んでいたら、オレよりもちょっと年下と思える女性のグループから「学生さんですか?」と訊かれる。ラフな服装で活字の細かい本を読んでいたのが、いかにも学生風と思われたようだ。はやく年相応に見ら…

「戦前」への回帰

唐突に大岡昇平『ザルツブルクの小枝』(ISBN:4122005744)より引用。はじめてパリを訪れた大岡昇平とパリ在住歴が長い森有正が、1954年に交わした会話。 (森)「東京も変わったでしょうね」 (大岡)「そりゃ、変わりましたとも。便利という点じゃ、戦前に…

ガクセー1

言論統制―情報官・鈴木庫三と教育の国防国家 (中公新書)作者: 佐藤卓己出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2004/08/01メディア: 新書購入: 6人 クリック: 166回この商品を含むブログ (83件) を見る遅ればせながら読んでいる。こういう本を読むときにいつ…

ラジオ

iTunesにはラジオ機能(ポッドキャスト機能とは別物)があるのだが、これを愛用しているひとはどのくらいいるのだろう。オレは興味のない曲や苦手な曲を半強制的に聴かされるのが辛くて、ラジオで音楽を聴く習慣をほとんど持たない。しかしiTunesのラジオで…

A感覚とAV感覚

前に使っていたヘッドフォンが故障したので、アマゾンのギフト券でソニーのMDR-XD200を購入。SONY MDR-XD200 ヘッドフォン出版社/メーカー: ソニー発売日: 2004/11/21メディア: エレクトロニクス クリック: 3回この商品を含むブログ (15件) を見る取り立てて…

注文した本

モーダルな事象 (本格ミステリ・マスターズ)作者: 奥泉光出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2005/07/10メディア: 単行本 クリック: 15回この商品を含むブログ (94件) を見るそれなりに熱心な奥泉光ファンを自認していたのに、この本が出たのは気付かなかった…

「自業自得」

ユナイテッド・シネマとしまえんで「逆境ナイン」を観る。非常に馬鹿馬鹿しい。こういう映画は一瞬でも「素」に戻る瞬間があると白けるのだが、最後まで馬鹿を貫いていていた。マネージャー役の女の子(堀北真希)が可愛い。少なくないひとが「不覚にも感動…

夏こそ、甲子園。*1

テレビを付けたら、高校野球地方予選一色。テレビ埼玉は埼玉県の、東京MXテレビは東京都(西東京か東東京かは判らなかった)の、そしてNHK教育は神奈川県の予選をそれぞれ放映していた。特に神奈川県は決勝ということもあり、じっくり見入ってしまう。中盤ま…

一人称

yomoyomoさんが「羽生世代について書かれた技術書でない読み物」として薦めていた島朗『純粋なるもの』(ISBN:4101393214)を読み始める。体裁の上では一人称なのに、登場する棋士の内面があたかも自分の体験のように語られるので、次第に登場人物の区別が付…

大・新・全

大日本 右翼的、「戦前」的 新日本 左翼的、「戦後」的 全日本 ニュートラル もちろんこれはただの思い付きにすぎず、確たる根拠に支えられているわけではない。ネットで検索したところ、「新日本」と名乗っている右翼団体もあるようだし、大日本印刷株式会…

8月15日に生まれなくて

佐藤卓己『八月十五日の神話』(ISBN:4480062440)読了。日本が太平洋戦争に敗れたのは、ポツダム宣言受諾を決定した8月14日か、ミズーリ艦上で降伏文書に調印した9月2日とするのが合理的である。8月15日は「多くの国民に敗戦が知らされた日」にすぎない。そ…

最近のお仕事2

これまた現物を確認していないのですが、音楽誌が書かないJポップ批評 38~槇原敬之 マジカル・ヒストリー探検! (別冊宝島)出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2005/07/26メディア: ムック クリック: 4回この商品を含むブログ (7件) を見るで、槇原敬之がまだ「…

最近のお仕事1

まだ現物を確認していないのですが、『PC MODE』最新号の別冊付録「ブログ徹底活用ブック」で、3分の1ほどの記事を担当しました。オレが担当した記事の一部が、ウェブで立ち読みできます。パーマリンクの功罪について無駄に熱く語っているのが、オレらしいと…

買った本

八月十五日の神話 終戦記念日のメディア学 ちくま新書 (544)作者: 佐藤卓己出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2005/07/06メディア: 新書購入: 6人 クリック: 442回この商品を含むブログ (131件) を見る「日本は1945年8月15日をさかいにがらっと変わってしま…

東洋経済

はてなの近藤さんが表紙で特集が「ブログ資本主義」なので、「週刊東洋経済」の最新号を購入。特集はビジネス誌でブログを特集するとこうなるのだな、という平均的な内容にまとまっている。まあ、若干の勘違いをはらんでいなくはないのだが、ことさら目くじ…

注文した本

とは誰か リミックス・産業・著作権" title="その音楽のとは誰か リミックス・産業・著作権">その音楽のとは誰か リミックス・産業・著作権作者: 増田聡出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2005/07/22メディア: 単行本 クリック: 236回この商品を含むブログ…

うぶめ

新宿東急にて『姑獲鳥の夏』を観る。どうにも評価に困る。原作を知っているひとのためのイメージビデオだと思えば、これでいいのかもしれない。しかし原作を知らないひとにとっては、ほとんど意味不明なのではないか。あとはキャスティングだけど、永瀬正敏…

西広

おおきく振りかぶって(4) (アフタヌーンKC)作者: ひぐちアサ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/07/22メディア: コミック購入: 2人 クリック: 67回この商品を含むブログ (303件) を見るこれまでまったく存在感のなかった西広の魅力に、いきなり目醒める。…

トヨタ衝撃、派遣社員がロリコン副業

http://www.zakzak.co.jp/top/2005_07/t2005072223.html タブロイド紙的な文体とは、すなわち無意味に形容詞が多い文体であると再確認した。まあ、「朝日」だって「讀賣」だって、かつては無意味に形容詞が多い記事を平気で載せていたわけだが。

吹雪物語

お母さんは「赤毛のアン」が大好き (角川文庫)作者: 吉野朔実出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2004/05/25メディア: 文庫 クリック: 9回この商品を含むブログ (33件) を見る吉野朔実による、ちょっとテンションが低めの読書エッセイ。ある種のファッション…

SNS使って麻薬取引したブラジル人が逮捕

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0507/22/news018.html この記事で真に注目すべきなのは、 Web検索大手のGoogleが2004年1月にOrkutを立ち上げて以来、数百万人のブラジル人がこのサービスの愛好者になっている。ブラジル人は700万人を超えるOrkutの…

日本オーケストラ連盟・加盟団体

http://www.orchestra.or.jp/orch/profiles.html 日本にはプロのオーケストラがどのくらいあるのかと調べてみた。全23団体のうち、8団体までもが東京を活動の拠点にしているのが日本のクラシック音楽業界の特殊性だとは、すでに指摘されているところ。それは…

北田暁大さん講演会『増殖する「ナショナリズム」の正体』参加

http://d.hatena.ne.jp/kwkt/20050720#p1 このレポートで面白いのは、じつは後半部分。この種のイベントの質疑応答コーナーで、まったく「質」にも「疑」にもなっていない自説を延々と繰り返すひとはたしかにいる。こういうひとは「大勢のひとが聞いている場…

若者はモノじゃない

先週の金曜日に撮った(場所はさっぱり覚えていない)、日本共産党の立て看板。和む。こういう「萌え」と呼ぶにはちょっとばかり品が良すぎる漫画風のイラストには、どこまでも点が甘くなるオレなのであった。女の子の服装と髪型の地味さ加減がよろしい。「…

クラス・コンシャス

それにしてもある時期までの日本のクラシック音楽関係者は、判で押したように「良家の子弟」ばかりである。斎藤秀雄にしても、あの斎藤秀三郎の子として生まれたおかげで、経済的に困窮することなく音楽だけに打ち込めたようだ。「まったくの庶民の子供とし…

いつか「○○メソッド」が冗談ではなくなる日

嬉遊曲、鳴りやまず―斎藤秀雄の生涯 (新潮文庫)作者: 中丸美繪出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2002/08メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 50回この商品を含むブログ (13件) を見る伝記としてはきわめて面白い。しかしページをめくればめくるほど、斎藤秀雄…

マンガ嫌韓流

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/488380478X/ 気持ち悪いので、アフィリエイト・リンクしない。出版されるのを止めるつもりはないし、止めることもできないが、著者のサイトのプロフィール欄にある 好きな政治家 山本一太、石原慎太郎、安倍晋三 …

ひっかかり

http://blog.sitesakamoto.com/ 坂本龍一のブログなのだが、環境系ニュースのクリッピングサイトという趣きが強い。こういうニュースにあまり興味のないファンが読んでも面白くないかも。「こういうニュースにあまり興味のないファン」のためにこそ作ったの…

非モテ/文学/社会学

http://d.hatena.ne.jp/kica/20050718#1121679819 当事者でもないのに口を挟むのも烏滸の沙汰だが、文学よりも社会学のほうがモテるという言葉には、何がしかの真実が含まれている気がしなくもない。