2003-08-01から1ヶ月間の記事一覧

殊能将之『子どもの王様』[amazon]

なかなか読者に底意をつかませないひねた作品の多い殊能将之だが、この本はティーンエイジャーが読者対象のためか、わりとストレートな語り口。起きる事件は陰惨だが、後味は悪くない。むしろ暖かな余韻さえ感じられる。「神聖騎士パルジファル」なんていう…

READ OR DIE

レンタルショップでたまたま目に付いた「R.O.D」というOVAアニメを借りてみる。現代の神保町が舞台で、古本マニアの眼鏡っ娘や平賀源内のクローンが活躍する大風呂敷SFアクション。 と書くといかにも面白そうだが、演出やストーリーが定型的にすぎ、ちょっと…

本日もまた読書と映像の日

『中野重治詩集』[amazon]

これは最初のページからきちんと読む。「清冽」や「凛」という言葉がここまで似合う日本語に触れたことは、久しくなかったようにも思う。ゆっくりと噛み締めながら読んでいきたい。 ここは西洋だ イヌが英語をつかう ここは礼儀ただしい西洋だ イヌがおれを…

中島敦『父から子への南洋だより』[amazon]

これも拾い読み。中島敦というと観念的で気難しそうな印象があるが、南洋の赴任地から幼い息子たちに宛てられたこの書簡集には、大らかなユーモアが漂う。 コーヒーは 木に なるものですよ。 恒は、コーヒーなんて 「フジヤ」や「キクヤ」の お店の おくに …

兼常清佐『音楽と生活』[amazon]

例の「ピアニスト無用論」に関する文章だけをぱらっと拾い読みしたのだが、いやはや、じつに面白い。ちなみに兼常の主張をまとめれば、「ピアノを弾くために必要な技巧は純粋に力学的なものであり、それは数値に還元できる。もしその数値どおりにピアノを演…

読書デイ

例によって腸の具合がよろしくないので、読書に耽る1日とする。体調がよければ、としまえんの花火大会の見物に行きたかったのだが。練馬区役所の20階にある展望レストランなど、穴場なのではないだろうか。

日本のベンヤミン?

本日の

体重、56kg。体脂肪率、14%。

気楽な稼業と来たもんだ

「ニッポン無責任時代」(古沢憲吾、1962年)[キネ旬DB] 観たのは昨日なのだが、感想を書くのを忘れていた。 いやはやとにかく痛快。三船敏郎や高倉健とは違った意味で、植木等もまた「内面のない俳優」である。むしろ「『内面』がありそうに見えてしまうこ…

宿命の女

そして結局はファム・ファタールを観る。殊能将之がみずからのサイトで「御都合主義でかまわない部分はもちろん、御都合主義であってはならない部分まで思いっきり御都合主義なのは、デ・パルマだからしかたない。許してあげてください」と評しているが、ま…

おかしな二人

それから映画でも観ようかと思い、新宿武蔵野館が入っているビルへ。上階に行くエスカレーターが見当たらず、1階の水着売り場をうろうろする。試着室の1室がただならぬ雰囲気。どうやらカップルらしい男女が同じ試着室に入っているのだが、女は通路に脚を投…

日常

新宿東口の談話室滝沢で打ち合わせ。初心者向けのかっちりした内容の本を作るのは久しぶり(といっても、1年ぶりだが)。今年はこの本を書き上げれば、大きな仕事はそれでおしまい。あとは細かな連載原稿だけとなる。 それにしてもオレごときが今年だけで単…

新宿エレジー

沢/澤

たとえばGoogleで「黒沢明」と検索すると、「黒澤明」と表記しているサイトはヒットしない。新漢字で検索すると、旧漢字で書かれたサイトも検索できるサーチエンジンってないのかな。

吐瀉

狩野がエサを食べすぎて吐く。猫の吐瀉物はだいたいびちゃびちゃしているものだが、今回は人間の糞のようなきちんとした実体のある細長いものが「するん」と口から飛び出してきたので仰天する。まるで猫の消化器にセメントを詰め込んで、ほどよく固まってき…

薬を飲んだすぐあとに下痢をすると、薬の成分がすべて排出されたような気になって、同じ薬をもう一度飲みなおしてしまう。これってたぶん、医学的には間違ってるよね? 激しい下痢に悩まされている最中に下痢止めの薬を飲み、そのあとすぐに下痢をすると、薬…

追悼

練馬駅前の書店で嵐山光三郎『追悼の達人』(新潮文庫)[amazon]を買う。『文人悪食』とネタがかぶる文章がいくつかあるが、それでも読ませる。谷崎とか荷風とか、ちゃらんぽらんな作家にかぎって長生きするのは皮肉である。 あと神秘的・幻想的な作風の作家…

尾籠な話はやめられない

単調

アマゾンで注文したエイフェックス・ツインとクラフトワークのアルバムが届く。どちらも収録時間がやたらと長いので、なかなか全曲通して聴く気になれない。 それにしてもクラフトワークの変わり映えのなさというか、「変わるつもりのなさ」はすごい。かつて…

中年の仕事?

このところ10代後半から20代半ばのひとが運営している個人サイトを読んでいて、息苦しい気分になることが多い。たしかに彼らはいろいろなものを知っており、いろいろなことを考えている。しかしどうにも「それしか知らない」、「それしか考えていない」気が…

田園ミニマリズム

本日の買い物

練馬駅前で内田樹『ためらいの倫理学』(角川文庫)[amazon]を買う。単行本も持っているのだが、高橋源一郎の解説が読みたくて文庫も購入。

本日の酒肴

マグロのぶつ切りに生卵を落とし、柚子胡椒と醤油でぐちゃぐちゃにかき混ぜる。ああ、美味。

本日のアマゾン

山田正紀『風水火那子の冒険』(カッパ・ノベルズ)[amazon] Thomas Dolby / The Golden Age of Wireless[amazon] The Golden Age of Wireless(『彼女はサイエンス』)はLPはおろか、貸しレコード屋でダビングしたテープしか持っていなかったので購入。中学…

ホロコースト

「戦場のピアニスト」(ロマン・ポランスキー、2003年)[amazon] 戦争の「大局」をあえて描かずに、ひたすら個人に焦点を当てる手法には、賛否両論あるだろうな。「ローズマリーの赤ちゃん」すら観ていないオレが、ポランスキーの映画語法について何かを語れ…

ドシロート

東浩紀がはてなダイアリーユーザになったことは、この日記を読んでいるひとならもうご存じだと思うが、今日更新された彼のテクストのなかに、次のような一節があった。 昨年、突然のようにblogが騒がれるようになったが、同時にすでにあちこちで言われていた…

月に1万円まで!

本日の

体重、56.4kg。体脂肪率、15%。

魚水

素麺にナムプラーをかけて食す。うう、まずい。どんな国の食材と混ぜても何となく「食える」味になるのが麺類の持つ魅力だが、さすがにこれはやりすぎであったか。ちなみに「ナム」は魚、「プラー」は水という意味ですね。