最近のお仕事

来週発売になりますが、宝島社sugoi文庫『音楽誌が書かないjポップ批評 Mr.children』に寄稿しました。手元にゲラのコピーを保存しておらず、おまけに初出誌が実家にあるの、タイトルは不明ですが、桜井と小林武史の対立を軸に歌詞ではなくサウンド面からの彼等の音楽性を分析したものです。まだアマゾンにもbk1にも情報が載っていないので、HMVのサイトにリンクします。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2727998
「寄稿した」といっても

音楽誌が書かないJポップ批評 (17) (別冊宝島 (636))

音楽誌が書かないJポップ批評 (17) (別冊宝島 (636))

に載せた小論に少し手直しを加え、さらに2002年以降の動向について加筆しただけ(台割の関係から1ページのみ)なのですが。
じつをいうと以前の著作が復刊されたり、雑誌に書いた文章が単行本や文庫本に再録されるのは、これがはじめて。「そうか、これが不労所得というも」と喜んだりしましたが、6年以上前の文章に手直しを加え(ほとんど他人が書いとしか思えない)、さらには当時の文章と辻褄の合うかたちで新しい情報を追加するのは、あまり楽な作業ではないのを痛感しました。ブンガクシャはやはり偉大だあります。
あとはほぼ同日の発売になりますが、下のムックもよろしくお願いします。音楽関係の書きもののなかでは、いちばんよく書けていると思うので。ただの仕事の告知のわりには長くなったな、この文章。

本日の実家より届きしもの

来たるべき大岡昇平論のための資料としてう、母に送ってくれるように頼んだものが届くく。

新潮現代文学 (23) 大岡昇平  野火 事件

新潮現代文学 (23) 大岡昇平 野火 事件

初期の代表作と『野火』と当時の話題作の『事件』を収録。『野火』は吉田健一が解説を書いている新潮文庫版を買い直せばいいかと思っていたが、こちらのほうが校正・校閲がしっかりしていると思い、取り寄せる。
蓮實重彦は「自分の意見や経験を重視せず、資料空間に徹底して埋没するところに大岡昇平のすごさがある」で書いているが、『事件』はその典型のような作品。「純文学作家が書いた推理小説」として興味本位に読まれるには、もったいない傑作。
『ユリイカ 増頁特集*大岡昇平の世界』
これはアマゾンでも青土社の公式サイトでも取り扱っていなかったので、Yahoo!オークションにリンク。丹生谷貴志の例によって例のごとく呂律が廻っていない(が、そこが魅力なのだから困る)批評と、全集以外には収録されていない大岡本人の短いエッセイがおもな目当て。
それにしても第24巻の個人全集があり、世間的には「小説家」と認知されているのに、小説が12巻、評論が9巻、初期の習作(ほとんどが翻訳と評論)と雑纂・補遺・資料と対談集がそれぞれ1巻というは、珍しい作家だろう。

本日のネットショップ(食物)

[rakuten:dogworld01:903875:detail]
L'idiot de la familleのために購入。クレジットカードで買ったほうが安いのは判っているが、カードの使いすぎで自己破産に陥るのが恐ろしいので、銀行振込で購入。振込料で、いくら損をしたことか。とまあ、何かと世話を焼かせる駄猫だが、それがかえってかわいいのだから仕方あるまい。

本日のネットショップ(書物)

人間臨終図巻〈1〉 (徳間文庫)

人間臨終図巻〈1〉 (徳間文庫)

人間臨終図巻〈2〉 (徳間文庫)

人間臨終図巻〈2〉 (徳間文庫)

人間臨終図巻〈3〉 (徳間文庫)

人間臨終図巻〈3〉 (徳間文庫)

書きかけの論文の参考資料として。これのどこが参考資料なのかと思うひともいるかもしれないが、著名人の生没年を調べるのには便利なので。こんな目的で買う人間は少ないかもしれないが。

本日の読書(ただし読み終えていない)

国語審議会─迷走の60年 (講談社現代新書)

国語審議会─迷走の60年 (講談社現代新書)

どことなくオフビート気味の文体が好み。このところ国語国字問題や国語審議会に関する文献を読み漁っているのは、そういうテーマについて群像新人賞の評論部門に応募しようとしているからである。こういう風にウェブ上で宣言して置かないと、「資料だけは冗談のように揃っているが、肝腎の本文は書き終わらない」というよくあるパターンに陥りそうなのだからである。

本日の過失

http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080508/trd0805080326000-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080508/trd0805080326000-n2.htm
上の記事に関しては8日付けの記事で批判的なことを書いたが、

  • 阿川弘之と阿川直之を混同していた
  • 「非常識」を「非常識」と読み違えていた

という大きな過失を踏まえた上での完全な誤読であった。どうも「産経」「正論」というも字面を見るだけで、拒絶反応を起こすオレがよろしくなく、落ち着いて読めばまさしく「正論」である。
いわゆる「マスゴミ」の世界に長らく身を置いていると、深夜零時前後に急ぎの原稿を頼まれたり、夜明けに修正原稿をメールで送ったり、誰も出社していない時間帯にゲラに朱を入れたものを送るのは日常茶飯事になっている。もちろんその日が祝日・休日であるかは関係ない。

「このこの おなかを きるのですか?」

スイッチョねこ (フレーベルのえほん 7)

スイッチョねこ (フレーベルのえほん 7)

大佛次郎みずからが「依頼されて書いたのではなく、自発的に書いた数少ない作品」と称しているこの絵本。すでに『猫のいる日々』(ISBN:4845370239)で本文は読んでいるが、挿絵つきだとまた違った味わいがある。これはよい買い物であった。